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(画像は実際に頂いたものとは異なります。)
花梨、です。
会社の他の営業所に植えられていた木に大量に実がなりまして。
「花梨、持ってく?」と聞かれたので・・・「はちみつ漬けか砂糖漬けにしてシロップ作るからもって帰ります。」と言って、貰ってきました。
Mサイズの卵と同じくらいの小さいものから、「太●のたまご」(宮崎県産の高級フルーツのアレ)並に巨大なものまで、合計10個。
平均サイズよりも大きなのが生ってましたので。。。
・・・貰ったその日のうちに、砂糖漬けに取りあえずいたしました。
(花梨の実は硬く、数も数だったので・・・その日のうちに処理しなければ絶対にほったらかして駄目にする、と創造できたので。)
今回は、そんな花梨を砂糖漬けにしてシロップ作りをしている最中に思いついた「かきもの」です。
そして、半分は私の幼少期の思い出を基にしているかもしれません。
・・・そうそう、こんなことがあったんだ。。。
なお、此処で念のため書いておきます。
今回は「緋ルキ」です。
この時期になると書きたくなるのですが、大事なことなので2度申し上げます。
今回は「緋ルキ」ですので、苦手な方はご注意ください。
・・・甘いものを得意としない兄様のためには、こんなことはしないからね・・・きっと。
「花梨湯」
もう、時間は残っていないけれど・・・
大丈夫、まだ大丈夫。
残された時間が許す限り遺してゆきましょう。
できる事など限られてきてしまったけれども・・・
大丈夫、まだ大丈夫。
実を割るだけの力はまだ残っているのだから。
あの土地には碌な食べ物も甘味も無かったから、砂糖をたくさん入れましょう。
あの子の体にも良いという、蜂蜜も加えておきましょう。
癖があると飲みにくいから、柚子も加えておきましょうか。
此れが出来上がる頃までに、私は此処にいられるでしょうか。
此れが出来上がる頃までに、私はあの子を見つけられるでしょうか。
嗚呼、
寒い朝に、小さな湯飲みを両手で持ち、ふうふうと息を吹きかけるあの子が脳裏に浮かぶようで。
けれど、のどを痛めぬようにと、やけどをせぬようにとあの子を見守る・・・
そのような私は、きっと何処にも居ないのでしょう。
あなたを捨てた私は、あなたの傍で、あなたを慈しむことは許されないのでしょう。
ただ・・・残された時間と力を、あの子のために使うことだけは許してください。
何も知らぬあの子に、ささやかなものであっても残してゆきたいのです。
もはやあの子に姉であると名乗ることを許されない私の、あの子への・・・・
冬になると、私は毎朝欠かさずにしていることがある。
この家に養子として引き取られてからの習慣だ。
私を起こしに来た侍女は、冬になると必ず小さな湯飲みを手にしていた。
湯飲みの中身は、花梨の糖蜜・・・花梨を砂糖漬けにして水分と栄養を染み出させたものだ。
とろりとした其れをお湯で薄めて、朝一番に私に飲むように勧めてくるのだ。
今でこそ慣れたものの、当時の私は癖のある香りが苦手であった。
柚子も加えられていたというが、花梨の匂いが勝っていたのだ。
けれども穏やかな表情で私を見守る侍女の手前、飲まずに居るわけにはいかないため・・・
何とか飲み下していた気がする。
それでも、
どうしても其れを飲みたくないのだ、と、そっと告げたこともあった。
だが彼女は申し訳なさそうに微笑むだけであった。
今思えば、彼女が何も言えずに微笑んだ理由が分かる。
そして今年も「朝の習慣」が始まった。
以前と比べたら、味や香りも遥かに飲みやすいものになっている。
きっと屋敷の使用人や侍医が仕込んだものだろうか。
さらに風邪気味になると、金柑や柚子が足されたり、濃い目に作って持ってきてくれることもある。
ただ・・・
そういえば私がこの家にやってきてから数年の間は、
風邪を引くどころか、冬に体調を崩すことは一切無かった気がする。
姉様が遺してくださったものと知らずに飲み続けた期間と一致するかどうかは分からないけれど・・・。
花梨の砂糖漬けは、私が縁のある地方に一時的に預けられたときに、母上sが作って残していってくれたものです。
一時的に生き別れになりましたが、それでも傍に母達の思いはあったのだ、と・・・
花梨をざくざくと切っているときに、ふんわりと脳裏にそんなことが浮かびました。
当時の私は、花梨の独特の風味が苦手で、祖母が言うには・・・鼻をつまんで飲んでいたらしいです。
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息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。
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