・・・そう、今日は拙宅で一番御贔屓にさせていただいておりますルキアさんのお誕生日でございます。

お誕生日おめでとうございます！！！

死神にとって1年2年くらいどうってことない、なんておっしゃらないでくださいね。。。

さて、ルキアさんお誕生日には毎年「かきもの」をさせていただいておりました。
ある年には決意表明をしていただいたり、昨年は兄様のお誕生日までの間に分割upの長編を書かせていただいたり。
（しかも兄妹げんか、というかルキアさん限界が来ちゃって家出した、というお話でした。。。）
今年は何をしようか（昨年のような長編は正直無理だ）と考え、今年はありきたりな感じになりました。

お題は、こちら。
フェンネル、です。和名は「ういきょう」。
古くから利用されているハーブで、魚料理との相性が抜群だそうです。
種も香りがあって利用されています。
スパイスに入っていたり、リキュールの香り付けに使われたり、お菓子の中に練りこまれたり。
（以前、種が練りこまれたパンを頂いたことがございました。）

そんなフェンネルの花言葉は、
「称賛に値する」「讃美に値します」「力量」「不老長寿」「勇敢」
祝うにはもってこいじゃないですか！！

ということで、今回は・・・
とってもルキアさんのお誕生日を祝いたいだろうに、不器用すぎて素直に祝えないであろう、いつものお方に祝っていただこうかと。
（ヘタレ度は当社比で・・・若干低め、かと。
たまには凛々しい御姿も書いてみたいな、と思ったのですよ。
・・・勿論挫折した感が満ちておりますが。。。）

というわけで、兄様からルキアさんの成長を祝って頂くようなモノローグ、を目指して書いてみました。
でも拙宅の兄様ですので、やっぱり基本はヘタレだと思います。

そして、フェンネルの花などが小道具などとして直接出てくるわけではなく、
フェンネルの特徴などをイメージとして織り込んだ感じ、となっております。
ですので、コレだけ読んでも「どこがフェンネルを御題にしたんだよ」というツッコミが各所から飛んできそうな状態です。。。



「その道行きを」

私がお前と出会ったとき、お前は小さな種であった。
風が吹けば容易く吹き飛び、雨が降れば容易く流されるような、それは小さな種であった。

その小さな種であったお前は、私が蒔かずとも既に芳しく香り、力強く芽生えるだけの力を秘めておったな。
厳しい冬を前に芽吹き、只管耐え続けるだけの力は既にあったのだ。

何も知らぬ私は、お前が風に飛ばされぬよう、雨に流されぬようにと、囲い育てようともした。
かといって如何なる花を咲かせるか分からぬお前と向き合うことを恐れ、己が巡らせた囲いに近づかぬこともあった。

御蔭で私は、芽吹き、柔らかな葉を広げて伸びゆくお前の姿を見逃したのだが。
若干の病変はあったものの、お前は健やかに育ってくれたのだが。


幾年を経て今、私の目の前に居るお前は、

しなやかな茎を伸ばし、柔らかな葉を広げる健やかなお前。
地に確りと根付き、力強くその身を天に仰がせる逞しいお前。
年月を越えて増え広がり、数多の経験を積み世界を広げんとする前向きなお前。
内に秘めた誇りと勇気を一斉に放つが如く、今まさに花を咲かせんとするお前。

その花は小さくも、素朴で力強い野の花のように美しい。
かつて種を蒔く際に思い描いた以上に、お前は。


いざ、お前は行くが良い。

お前が秘める誇りとともに。
風雨に負けず逞しく育った健全な心身とともに。
時に放つ、苦難にも負けぬ勇敢さとともに。

お前が信ずる、道行きを。
お前が望む、お前のあり方を貫き通すが良い。



お前に先駆けて咲く花を刀に持つ私は、お前の道行きの露払いくらいは出来ようか。
今しばらくの間は、お前に背を向け、お前の前を歩むこととするか。


最後の2文・・・
やはり拙宅の兄様はヘタレかつ心配性なのです。。。