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「多数のわらじ」を履いている?私の、ちょっとだけ息抜きさせてもらえる場所だったり
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6b807a2c.jpgさて、先日『ご意見伺い』にて皆様から貴重なご意見を伺っていた『金木犀』。
今回は、ちょっと異色なあの方でいじってみたいと思います。


ほんわか系・・・ではなくて、どちらかというと猟奇的な雰囲気も有る、拙宅では珍しい?毛色のかきものかもしれません。


さて、何方でしょうか・・・?
 


・・・さて、此の方は初めてかも知れません。
というか、「ご意見伺い」でお名前を拝見しなかったら、今後も登場しなかったかも。
ですが・・・意外と人気なんですね。

個人的には、あの異形の集団のなかでも『一番良心的かつ常識人』な気がします。
出身は「蛆虫の巣」であったとしても。

・・・そんな彼を、ちょっと壊してみたくなったんです(笑)



「桂花の夢」


あの日・・・

運ばれてきたのは、見たことも無い義骸・・・イレモノだった。
いや、イレモノなんてものじゃない。
あんなモノを作れる奴がいたら、とてもじゃないがこの静霊廷では生きていけないはずだ。

確かにその義骸自体も特殊なものだった。
こんな物が存在することが信じられなかったし、目も疑った。
死神の霊力の回復を図るために一時的に用いるもののはずが、逆に力を奪い取る。
・・・危険なものである事は、一目瞭然だった。

何よりも、
口にこそ出さなかったが、俺にとっては・・・
このイレモノの美しさが脅威だった。


俺たちも仕事柄、義骸は何度も作ったことがある。
とはいえ、所詮義骸は義骸、イレモノはイレモノ、一時的な依り代。
此処まで精巧に作りこまれることなど、滅多にない。
勿論、其処まで作りこむ必要性も無い。

だが・・・目の前に運ばれてきたそのイレモノは、違った。

まるで、義骸そのものが新たな体にでもなり、魂と一体化し、
そのまま只の人間として生きていくことを前提とするかのような作りになっていた。

只のイレモノとしての義骸は、そこには無かった。

白く滑らかな磁器のような皮膚。
俺たちが纏う死覇装よりも深い黒を帯びた髪。
内に魂をもはや抱いていないにも関わらず、猶も紅く艶めく唇。
しなやかな肢体、長いまつげに縁取られた瞼、見目好い顔かたち。

これは、義骸なんかじゃねぇな。
・・・もはや、生身の体を作ったに等しい。

・・・そして、こんな精巧にあの罪人に似せて作られた義骸だ。
この義骸の持ち主だった見目好い罪人のことを、隅から隅までを知り尽くしているものにしか作れまい。

そう、隅から隅まで、だ。


目の前にしたこの義骸を、
眺めれば眺めるほど、調べれば調べるほど・・・
疑問と共に、自分の内に漣が立ち、波紋が広がってゆく。

一体、此れを作ったのは誰なんだ?
此処まで精巧に、そしてあの罪人を生き写したかのように作り上げたのは。
あの美しい罪人の全てを隅から隅まで知り尽くしただろう奴、
・・・お前は一体誰なんだ?

所詮は義骸、そう、只のイレモノ。
しかも此れは罪人の脱いだ義骸。
いわば、罪人の姿そのもの。

なのに、何故此処まで感情を揺らされる?
目の前にあるのは、たかが義骸であるはずなのに!!
これは此の義骸の特殊さ故か?それとも此の義骸の精緻さゆえか?
この義骸を作った奴の腕への嫉妬か?

・・・それとも、この義骸を纏っていた見目好い罪人に、



「・・・さん、阿近さん・・・。」
「ん?・・・あ、リン・・・オメーかよ。」
「こんな研究室で寝ていたら風邪引きますよ。」

「・・・?」
「どうされたんですか?」
「この匂い・・・甘い花の匂い、何だ?」

「ああ・・・それですよ。阿近さんの机に置いてある御茶ですよ。」
「?」
「10分くらい前に、涅副隊長が皆にお茶を淹れてくれたんです。
きっと阿近さんはお休みになっていたから、副隊長は起こさないでそっと置いてってくださったんですよ。」
「茶?」

「何でも、女性死神協会監修で新しく開発したものらしくて・・・
現世で最近流行りの『癒し』とか『りらっくす』の効果があったり、
なんと寝る前に飲むと・・・そのいい花の香りの効果もあってか更に『りらっくす』して、見たい夢やいい夢を見やすくなる効果もあるんだとか。」

「・・・、でも何で茶から花の匂いがするんだよ。」
「金木犀の花の香りを移し取ったお茶なんだそうです。
現世では『桂花茶』というらしいですよ。
その『桂花茶』に、四番隊特製の疲労回復に効く薬草や、我らが技術開発局の・・・」

「・・・くだらねぇ。」
「え~、結構美味しいし、疲れも取れるし、結構好評なんですよコレ。
お菓子と一緒に飲んでもホントおいしいし。」


・・・茶がくだらねぇんじゃねぇよ。

・・・茶に付けられた花の匂い如きに、心乱されてあんな夢を見ちまった俺がくだらねぇんだ。



すみません、何だかやさぐれてしまってますね・・・。
しかも最後は後味の悪い夢オチ。
大変失礼致しました。。。。。。

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お礼と感想併せ
さー坊様

昨日は当社の新作フィギュア 
【My Sisters
シリーズ ☆朽木ルキア ~誘惑~☆】
をご注文頂きまことにありがとうございます。
ご指摘頂いた箇所につきましては既に手配しておりますので、完成品がお届けできます。
発送が確定しましたらメールにて連絡差し上げます。
どうぞよろしくお願い致します。



----------------------

「桂花の夢」拝読しました。
まず、リクエストに応じて阿近さんを出して下さってありがとうございます!!

流れから【浦ルキ】に突入
!?
とワクワクしてしまいましたよ(笑)
さー坊さん宅でそれが読めたら・・・いぇいぇ宗旨変えはイケマセンが・・・

阿近って浦原さんが現世にいる事を知らないんでしたね・・・この頃は。
そんなことを思って、鰤の黄金期をしのんでしまった私でした。
素敵な作品をありがとうございました!!



女性死神協会お客様サービス担当 URL 2010/10/21(Thu)08:42:58 編集
そう来ましたか(笑)
・・・どうやらアノ(某義兄様からの)大量注文が入る前に滑り込めたようですね、私
(そして、どうしても『5本指』についてはツッコミを入れたかったのです。。。原型師に宜しくお伝えくださいませ。)

しかしながらアレ、リアルでも凄く売れそうな予感がしますが、下手なところに触れようものならオートで千本桜が始解する仕様になっていたら一層素敵


・・・それはともかくと致しまして、
頂いた『ご意見』、上手く反映できているのか不安で仕方なかったのですが、楽しんで頂けたのであれば何よりです。。。
そして、『浦ルキ』風味になるかならないか・・・位のところで、『いやいや主役は阿近さんだから』と押し止めましたが、ご自由に脳内でアレンジ・変換の上色々とお楽しみくださったら此れ幸い、です。
(確かに、色々と含みを持たせるような持たせないような表現は・・・してますね、自分でも書いている途中では気付かなかったけれど。
年齢制限は必要の無い記述様式?ですが。。。)

そういえば最近、リアル生活で『桂花茶』飲んでいません。
行きつけだった御茶屋さんが閉店しちゃったもので。チェーン店だから別の店舗に行けばあるのでしょうけれど。。。
さー  【2010/10/22 00:51】
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HN:
さー
性別:
女性
職業:
多数?の草鞋履き(最近少し減らしました)
趣味:
読書、音楽弾き聴き、きもの、草いじり、料理、・・・あと、かきものとか。
自己紹介:
諸般の事情から「多数の草鞋」を履くことになってしまった私です。
息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。

☆名前について☆
ここでは“さー”を使っていますが、“さー坊”というのも時折使っております。
(メール送信時は、名字まで付いてます。)
どれでもお好きなものでお呼び下さいませ♪
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