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「多数のわらじ」を履いている?私の、ちょっとだけ息抜きさせてもらえる場所だったり
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本当にご無沙汰しすぎて申し訳ございません。
取り敢えず体調はそこそこ普通で、忙しさもそこそこで・・・やりくりしておりました。
うん、良いこともあったし、其れについて記事を書きたいという希望もあるのですが、本日は久々のかきものを。
先日の記事で、こっそりこっそりと「猛者の皆様のご希望があれば、以前UPしたかきもののリメイク」します、というお話をさせていただいたところ、猛者の方がいらっしゃいました。
といいうことで、猛者の皆様のご要望を色々と伺いまして・・・まず、一品UPしたいと思います。
お題は、此方。


なんの花でしょうか。
・・・アブラナ科植物で、私の苦手とする食材。山葵です。
でも清楚で綺麗な花だと思っています。花は好きです、花は!!

今回は、2つのご要望をまとめた形にさせていただきました。
「白い花」(すれ違い切ない系)と「瓊ノ華(たまのはな)」(拙宅最初の白ルキ)をそれぞれ上げて頂いた方がいらっしゃいます。
無理やり時系列的に並べるならば、「瓊ノ華」(ルキア救出後)の後に「白い花(アニメオリジナル編)」という流れになるので、更にその後どうなったか、という感じで書いてみました。
が、正直「やまなしおちなしいみなし」で、自分でも訳が分かりません。
上記の2つのかきものと比較して、共通点は「会話してるっぽい」、という点だけです。
あとはまた白い花である、という点だけ。

・・・リハビリ、必要ですね。。。
つづきより早速かきものとなりますので、訳の分からない文章でも問題なし、という猛者の皆様はどうぞ。。。
こんな事になって申し訳ございません。。。

※そして再upいたしました。ご迷惑をお掛けいたしました。

まず、このぐだぐだな「かきもの」を書く際に、念頭にあった曲がございます。(rad/wim/psの「オー/ダーメ/イド」。「/」を抜いてくださいな。)個人的には「きみとひつじとあお」が好きなのですが、改めて聞くと「いいなぁ」と。・・・クラシック以外も聴くことはあるのですよ。そして、タイトルが中々決まりません。なので仮です。


「あなたをつくるもの」


どのくらい眠っていたのだろうか。
重い瞼を持ち上げると、其処には・・・


「ようこそいらっしゃいました。」
「・・・此処は」
「此処は貴方を作るための世界です。」
「瀞霊廷ではないのか。私は今までどうしていたのか。
眠っていたのか。それとも、」
「その答え、お聞きになりたいですか?」


穏やかに、慎ましくもあるが、有無を言わせぬような口ぶり。
声しか聞こえぬが、見知ったような雰囲気を纏っていた。


「先ほども申し上げたとおり、此処は貴方を作るための世界です。
これから貴方にいくつか質問をさせていただきます。
そのお答えによって、貴方自身を自由に誂えることが出来ますので、どうかご協力ください。」


見渡せば白い世界。
恐らく立ち込める靄のために白く映るのだろう。
己が生きてきた世界とは異なる、穏やかで、静かな世界。
だが失望も絶望も感じぬ。
ああ、そうか・・・と、うろたえもせずに受け止めている己が此処にいた。


「では早速。
過去と未来のどちらか一つ、貴方の心に残し続けること出来るとしたら、 
どちらをお望みになられますか??」
そのような不思議な問いを投げかけられた。

己を誂える、とは・・・・
それが可能であるとすれば、それはきっと私が死神としての生を終えてしまった、というところであろうか。
生きているならば、部品のように「誂える」など出来るまい。


私はさて、どのように死んだのか。
思い出せない。
ただ・・・大切な何かが失われることを恐れた、という微かな記憶があるだけだ。


「忘れることで、強く羽ばたくことも出来るでしょう。
忘れないことで、其れを糧にして踏みとどまることも出来るでしょう。
きっと、どちらも強さなのでしょう。
要は、どちらを大事に思うかです。」

今よぎった微か過ぎる記憶。
確かに、忘れることで恐れを無くし、強さを身に着ける者もいるだろう。
だが私には、常に胸に留めておける思いがあればこそ、己を奮い立たせ
強く在ることが出来たのだ、そう思えてならない。
私が強くあろうとしたのは、その「大切な何か」があるからこそ。
その恐れを現実にしないがために、私は・・・・


故に私は、「過去」を選んだ。
足元のもやが少しだけ晴れ、どうやら川原に立っていることに気づく。
ああ、これが現世で言うところの「賽の河原」か。
そのような疑問を抱いた私に、続けて「誰か」が私に問いかける。

「さて、取り敢えず、今の貴方は勿論五体満足な状態です。
今度もまた・・・腕や足だけでなく、
口も耳も眼も心臓も二つずつ付けてさしあげることができます。
どうされますか?
折角付けることが出来るのですから、全て二つずつ付けられてはどうでしょう。」

私は想像した。
手足や目、耳、は二つでいい。
が・・・

「口は一つだけでいい」
「それは何故ですか?」
「元々私は饒舌ではない。
が、一方で、皮肉を口にすることが多いことも自覚してはいる。
そのような私の口が二つになれば、さてどうなるか。」


それに、万が一口が二つになり・・・あの者に声を掛けるとき、
一つの口は慈しみを、もう一つの口が蔑みを述べるようなことがあれば、
あの者は二度と私を信じることなど無くなるだろう。
あの者が私を見つめるその眼差しに対し、私は裏切るような真似など決して出来ない。
それは仮にも裏切り者を「演じる」ことがあった、としてもだ。


さて、あの者・・・とは・・・
私はすっかり忘れてしまったのか。思い出せないだけなのか。
騒がしいこの胸のうちだけが、恐らく全てを握っているのだろう。
靄は更に晴れ、ひざ下までの足元が見えるようになってきた。
賽の河原というよりは、沢であろうか。
流魂街の川原というよりは、どこか静謐な山の中の沢のような。
・・・ということは、どうやら私は死んだのではなさそうだ。


では、これは一体何が起こっているのだろうか。
少し肩を落としたような雰囲気を纏ったその者は、再び私に問いかけた。
あたかも妙案を思いついた、とでも言いたげに。

「口はともかく、生きるのに一番大事な心臓は、両胸に付けてあげられますよ。
片方が仮に止まっても、戦い続けられます。
これならばきっとお気に召すのではないかと」

其れを聞き、私は話をさえぎっていた。

「其方には申し訳ないが、心臓も一つでかまわぬ。」
「え、何故ですか・・・?」
「心臓が二つもあっては、大怪我をした際に
余計に出血して危険な状況になると思われるが?」
「・・・そうですか。結構いい案だと思ったのですが。」

だが、本当はそれは建前上の理由である。
私が護るべきと誓った存在の生を感じたいと願ったとき、
仮に私の心臓が二つもあっては、恐らく己の脈が煩くて分かるまい。

・・・どれがあの者の鼓動か分からなくなっては困るのだ。

あの日、己の身を挺して護った大事な存在。
私はあの者が無事であることを感じられたのは、
あの者が崩れ落ちた私を細い腕で抱き支えてくれた際に、
左胸で響く鼓動が確りと耳に届いていたからなのだ。

私の耳には、あの者の生きている証が。
あの者の手のひらにも、恐らくは私がまだ生きているという証が。
きっと伝わっていたのだろう。
心臓が二つになどなったら、恐らく己の鼓動が煩くてあの者の「証」が聞こえなくなる、
其れは御免被りたい。
あの者も私のどちらの心臓が無事なのか判別付かなくなるだろうから、それも勘弁してほしい。


「あの者」・・・
思い出せない。でも忘れてはいけない。
そう、アレは是が非でも護ると誓ったもの。
嗚呼、あの者の顔が思い出せない。
失ってはならぬと思うほどに慈しんだはずなのだが。


「そうだ、最後にもう一つだけ宜しいですか。
涙というものをおまけで付けることが出来るのですが、どうされますか。
無くても全然支障はないですし、面倒だからって付けない人もいらっしゃいます。
特に貴方のような方は、あまり好まれないかもしれません。」
「それはどういう意味だ。」


靄が再び晴れ始め、「誰か」の胸元当たりまでは見えるようになった。
足元はやはり「沢」と呼ぶのが正解で、
沢の流れの中で、白くて小さな花と、大きくて丸い濃い緑の葉が茂っていた。
綺麗な清流なのだろう。

「あの淀みに根を張る株、見えますか。」


声の主が淀みに根を張る小さな株を指差して言う。
「この花は、自分から出る成分で周囲に余計な雑菌などを繁殖させないように出来るのですが、その力が強すぎて、自分の首も絞めて苦しめてしまうのです。
ほら、あの淀みのあたりに生えている株は小さいでしょう?
あの株はあれ以上大きく強くなれません。」

「ですが、貴方は植物とは違います。
自身が拮抗できる程度、またそれ以上に耐性を得て強くなることは出来ると思いますし、そのために涙を捨てるのも、吝かではないと思います。
涙と共に己の弱さも捨てる、というのも」
「それで何故涙が不要となるのだ。不要となる理由にはならぬ。」
「え?
・・・それは、かつて、貴方が・・・・」

「私は確かに常に強くあるべき、涙など要らぬと思っていた。
だがそれで己が強くあり続けることが出来たかと問えば、答えは否。
己が如何様に努めても、何時かは崩れ落ちるのではないかという恐れを抱き続けていた。
そう、何時かは、強くあり続けたいと願った『理由』の目の前で、無様に倒れるのではないかと。」
「・・・・」
「・・・其方の足元に生えている大きな株、それもあの小さな株と同じものであろう?」
「ええ、そうですが。」
「その株は何故、大きく力強く育っているのか。
それはその株が周囲に撒き散らしたものを、沢の流れが塩梅良く流してくれているからではないだろうか。」
「・・・良くお分かりで。」


「己自身が周囲に拮抗し、また耐性を得て強くあり続けるには限界がある、が、
己の首を絞めるものを弱めて流すことが出来る方法があるのだろう。
その株にとっては沢の水であった。
恐らく私にとっては・・・涙であったのだろう。」
「・・・・」
「だが私は簡単に泣くことが出来なくなっていた。
その代わりに、あの者が泣いてくれたのだ。
あの者が私の周りのしがらみやら何やらを解き流し、ただ純粋に泣いてくれたのだ。
今度は、あの者が一人で耐えられぬとき、私が」
.

「ああもう分かりました、もう結構です。おまけは付けるように致します。」


「では、涙を流す・・・状況とかはどうされますか。
今のお話ですと、悲しい、辛い、そのようなときに流される涙を御所望のようにお見受けいたします。
それで宜しければ」
「いや、もしも涙を流せるようになるならば、今度は、」


靄の向こうの、確かに見知った雰囲気の存在。
胸元より下が見えている、その小柄な姿。
そう、あの者は私の目の前で喜怒哀楽を様々な形で表してくれた。
悲しいかな、私はあの者が悲しみに暮れて涙する姿しか思い出せぬ。
そう、あの者の半身とも言うべき白く美しい刃を躊躇い無く叩き折ったときも。
ただ、あの者は・・・私の前では泣くまいと、耐えていた印象もある。
恐らくあの姿を覚えているのは、私の中で何かを抉り取っていった、それだけの力のある姿だったからであろう。

一方で、あの者は嬉しいときにも心震わせて涙を流したことがあるという。
其れは恐らく、私には殆ど見せたことの無い姿なのであろう。
ただ、お前に詫びる私の手をとり、大きく見開いたその目は、微かに潤んでいた気がする。
あの時私を見つめていたその目は、夕日の色を溶かし込み、とても綺麗だった。


「どうせなら、
これが私を形作る作業だというのならば、
私が自由に選べるというのであれば、」

周囲の靄が晴れる時のように、私の胸中の靄も晴れる。
嗚呼、お前を今まで忘れるなど。

もし、私が涙を流すことが出来るようになるならば。
確信をもって、不躾ながらも指を差し。
私が一番美しいと感じた涙を欲する。

「・・・お前と同じ、涙がいい。」



貴方がそんなことを望むなんて、私は微塵も思ってもいませんでした。
私にとって貴方は常に強くある方でしたから。
けれど、貴方が涙することを望むのならば、どうか私にも見せてください。

涙は悲しみだけで流れるのではないのです。
嬉しいときにも流れるものなのです。
・・・貴方は私の様々な表情を、見てくださっていたのですか。

私は見たことがない、貴方の涙に濡れるその顔を私は見てみたい。
貴方の有りの侭を見せてください。
決してそれは愚かなものではないのです。
貴方の心が震えるその姿を、私はきっと誇らしく思うのでしょう。
だからどうか貴方が流すことを望んだ、貴方の涙を見せてください。



「さて、そろそろ時間のようです。」
「色々と手間を掛けたようだな。」
「いえ、色々とお手伝いが出来て光栄です。
望みどおりの貴方になっておりますよう、お祈りいたします。」
 
「最後に一つだけ、聞いておきたいことがある。」
「何ですか?」



笑い顔でも泣き顔でも構わぬ、
・・・私が目を覚ましたとき、お前は目の前にいてくれるのだろうな?




イメージ的には、兄様が瀕死の重傷を負って・・・あの温泉?に投げ込まれたとき。
こん睡状態の兄様は、臨死体験でこんなやり取りをしていたらどうだろうか、という妄想です。
死に掛けた兄様の再構築、とでも言いましょうか。


そして、精神的にも完全に打ちのめされたであろう兄様の再生の過程には、どんな形であれルキアさんが傍にいてほしいという願いもあります。
こん睡状態のときに見ていた夢の中のルキアさん、目が覚めた後に目の前にいてくれるだろうルキアさん・・・あんな状態になるのですから、最大のダメージ源であり回復の原動力でもあるでしょうから。

さて、最後に一つだけ。
「山葵」の花言葉、是非調べてみてください。

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さー
性別:
女性
職業:
多数?の草鞋履き(最近少し減らしました)
趣味:
読書、音楽弾き聴き、きもの、草いじり、料理、・・・あと、かきものとか。
自己紹介:
諸般の事情から「多数の草鞋」を履くことになってしまった私です。
息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。

☆名前について☆
ここでは“さー”を使っていますが、“さー坊”というのも時折使っております。
(メール送信時は、名字まで付いてます。)
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