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「多数のわらじ」を履いている?私の、ちょっとだけ息抜きさせてもらえる場所だったり
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新年明けましておめでとうございます。
ここ数ヶ月、更新らしい更新も出来ていないのですが、
本年も何卒よしなに。

で、かきものを置いて行きます。
(此れが閲覧可能になった時点では、私は実家に引きこもっている予定ですので。。。)

先日より「猛者」の皆様から色々とリクエストを頂いた「リメイク」かきもの。
今回は、
「この御題は笑わせて頂いたので、続編をお願いしたいです!!!」
というお話を頂きました、この植物を。

「桐」です。
もともとこの御題は、拙宅で起きた実話をベースに書いたものでした。
その後、反応を結構頂きました。
(主に「兄様なら本気でやりかねない」という方面で。)
季節は異なりますが、桐自体も瑞花ですし、年明けにはまぁ悪くはないだろう、ということで。
そして今年も皆様に笑って頂ければ、何よりです!!!


以前upさせていただいたのは、ルキアさんが養女に来た際に勝手に植えられていたらしい桐の木(嫁入り箪笥作成用)を兄様が伐採させた話、でした。

さて、第2ラウンド開始です!!!
タイトルからして、もうネタばれですが!!
文字が斜体で青色になっている部分は、兄様の心の叫びだと思ってください。。。




「禁じられた花 第2戦」~一番の敵は直ぐ傍に~


「・・・何だ、これは。」

それはとある冬の日。
空は青く晴れ渡り、凛として刺すように冷たい空気の中、
朽木家二十八代目当主である朽木白哉は敷地内を一人散策していた。

本来であれば彼の最愛の義妹も連れ立っての散策となるが、生憎その日は彼女は早番の出勤日。
朝一番に義妹の顔を確認出来なかったことに若干の落胆をしながらも、表面上は何食わぬ顔。
そう、最愛の義妹と朝の挨拶を交わせなかったくらいで落ち込んでいるところを他人に見られるなど、決してあってはならぬことなのだ(ここ重要)。
あくまでも彼は四大貴族の一つである朽木家の当主であり、一族の鑑たるべき存在。
それは最愛の義妹の曇りなき鑑としても存在しなければならないということ。
義妹の指針となるべき鑑が己であるということ、それは唯一無二の特権。
・・・その為であれば、いくらでも能面を貼り付けたような顔で過ごしてみせるのだ。
(あ、自覚あるんだ兄様)



だが、そんな彼の努力はいとも簡単に打ち砕かれた。

彼は見てしまった・・・見つけてしまった。

そう、其処には・・・朽木家の敷地内から全て伐採されたはずの、あの忌々しいにも程がある植物の若木があったのである。


何故此れが此処にあるのだ。
私はあの時、全て切り捨てよと伝えたはずだ。
いや。仮にあの木だけを斬り捨てよと伝わったとしても、清家であれば全てを汲み敷地内の全てを伐採するはずだ。
成長が早く、一度伐採しても切り株から新芽を出してはびこると聞いたが、清家であればその辺りの特徴も鑑みて、後々に切り株も引き抜いていよう。
そうであれば、あの忌々しい大木の成れの果て、では無いはずだ。
ならば此れは一体なんだというのだ。

まさか我が義妹がこの屋敷に居るということを良く思わぬ輩がまだしぶとく存在するのか。
あの娘は確かに死神としては頼りないところがあることは否めない。
だが、あの娘は私以外では一族の誰よりも朽木の名に恥じぬよう常に心得ており、正直に申せば『何処へ出しても恥ずかしくない』娘であると断言できる。いや、する。
そのような我が義妹に、いかにもあてつけがましく出て行けと言わんばかりに此れを植えた愚か者がこの屋敷に居るというのか!!


伐採を命じたあの時のように、急に雲行きが怪しくなってきたのは気のせいだろうか・・・?
先ほどまで雲ひとつ無い冬の空だったはずであるが、急に雪雲が湧いたのであろうか。
空を瞬く間に覆っていく。

と、その時。

「兄様、只今戻りました。」

それはまるで猛烈な吹雪に見舞われた遭難者が明々と灯のともる山小屋を見つけた時のような、救いの存在であっただろう。
だがしかし、

「ルキア、挨拶など良い。早く着替えてくるが良い。」
「え、兄様・・・既に着替えてきておりますが、お気に召されぬ柄だったでしょうか。」

はっとして最愛の義妹を見れば、其処には先日自分が見立てた小袖と、防寒のために羽織を身に着けた姿が。
兄様、表面上はともかく、内心は大混乱していたようで・・・・



お・・・お気に召されぬわけが無かろうがっ!!!!
大体其れは私がお前のために新年を迎えるに当たって仕立てたものであって、
お前に似合わぬものを着せるわけが無かろうがっ!!!


「いや、雲行きも怪しくなってきたことだし、先ほどよりも寒くなってきt」
「兄様、空は晴れてきておりますが・・・?」

なんと、雲間から日が射しはじめ、徐々に天候も回復し始めていた。
悉く墓穴を掘りそうな兄様。


「しかしいつ再び寒くなるやもしれぬ、羽織だけでは足りなかろう。」
「いえ、この下に防寒用に数枚既婚でありますゆえ。」

嗚呼、最愛の義妹が困惑した表情で己を見つめている。
しかし、彼は此処から先へは義妹を近づけるわけには行かないのだ。


早くルキアを此処から遠ざけねば。
斯様なもの、ルキアへの当て付けといわんばかりのものをあの見目良い目に映してなどみるがよい、直ぐに輝きはうせて曇ってしまうであろう。
我が誇りに懸けてそれは決してあってはならぬことである!!


だが、時に自然とは残酷なものである。
冬特有の強い強い北風が吹き込み、兄様を直撃したのである。
流石の兄様も、あまりの強風に一歩押し返されてしまった。

「あ・・・・」

時既に遅し。
兄様があれだけ見せまいと頑張った(らしい)努力もむなしく、最愛の義妹の視線の先には・・・。


「ル、ルキ・・・・」
「やったぁ、こんなに大きくなっていたなんて!!!」


・・・は?今なんとルキアは申したのだ?
私の耳が確かならば「やったぁ」などといわなかったであろうか。
この忌々しい、当て付けがましいものに向かって???


「見てください兄様、本当に桐って生長が早いんですね!!!」
「・・・・」
「流石に冬は葉を落としてしまいますが・・・でも、種を蒔いてからこんなに大きくなるなんて、私も想像していなくてびっくりしました。」


なん・・・だと・・・!!
お前の口から末恐ろしい話を耳にして直ぐに手を打ったというのに。
清家が私の意を汲んで敷地内の全てを処分したというのに。

何故お前が植えたぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!




「どうかされましたか兄様?お顔の色が芳しくないようですが・・・。」
「・・・お前が気に掛ける必要は無い。」


其れほどまでにお前は他家へ嫁ぎたいのか。
其れほどまでにこの朽木の家が嫌なのか。息苦しいと申すのか。
然様であれば、このような回りくどいことをせずとも私に申せば良い。
お前のためであるのならば、私は朽木の名に恥じぬ嫁ぎ先も用意させよう。
勿論、仕度も抜かりなく行おう。
お前のためにそれはそれは素晴らしい桐箪笥も誂えよう・・・・

・・・嗚呼、正直、泣きたい・・・本当に泣きなどせぬが。


 
「嗚呼、兄様、お手が冷えていらっしゃいます。
此れでは私ではなく兄様が寒さで風邪を召されてしまいましょう。」


だが私は手などよりも胸のうちが凍えそうだ、というよりも凍えておる。
嗚呼、断腸の思いというのは斯様なことを言うのか。


「ルキ・・・」
「兄様、お屋敷へ戻りましょう。清家殿に温かなお茶を頂きましょう。
また暖かな日にでも、観察はできますので。」

か、観察?

桐は成木になるまで約二十年掛かるというが、その年まで観察をすると??

「観察・・・とは?」
「皐月の頃に兄様と見た桐がとても美しかったので、無くなってしまって残念だったのですが、生長が早いと文献にありましたので、種を流魂街から拾ってきて植えてみたのです。」
「何故・・・・」
「また、あの花が見たいと思ったのです。
あの青空に向かって堂々と咲く姿が綺麗で・・・私もあのように堂々とありたい、などと思ってしまったんです。
それに桐というのは、非常におめでたい花だとも伺いましたので、お屋敷にまた植えても問題ないかな、と思ったのです。
ですが、兄様はあまりお好きではなさそうでしたので、屋敷の隅っこのあまり人目に付かないところにこっそり植えてしまったのです。」
「・・・然様か。」

「・・・あの、」
「何だ」
「・・・黙って植えてしまったことは謝ります。申し訳ございません。
ですが・・・あの桐の若木、切ってしまわれますか・・・?」

私にとっては全く持って忌々しい存在ではあるが、我が義妹が自ら植えたものであるならば話は別である。
ましてや、目的は嫁入り箪笥ではなくて唯の観察だ。
然様なことであれば、私が口を出す理由が無い・・・そう、無いのだ。

「かまわぬ。あのまま育てよ。」
「あ、ありがとうございます!!!」
「ところで、観察というからには、何か記録を付けておるのか?」
「はい!!種を植えてからずっと時間のあるときに記録というか日記を付けております。
もっとも、最近は忙しすぎて・・・最後の記録が葉を落とす前なのです。
お恥ずかしい限りなのですが。」

「私にも見せるが良い。」


その記録に、どうか「箪笥」とか「嫁入り」といった単語が無いように!!
兄様が再起不能になっちゃうから!!!

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無題
さー坊さん、ご無沙汰しています。
インフルエンザがじわじわ流行ってきてますけど、お元気ですか?
我が家は長男がA型を連れて来て。私→娘とインフルの輪を広げてしまいました(・ω<)

桐といえば箪笥ですよね。
ルキアが朽木家を離れるのを怖れる兄様。めっちゃ可愛いですね///
こんな2.5枚目な兄様は大好物です!
素敵なお話をありがとうございました。
ローガン渡久地 URL 2014/01/23(Thu)16:29:00 編集
Re:無題
コメントの返信が遅くなり、申し訳ございません。
私の周りでは既にインフルエンザのワクチンを打っている方が多く、たまにお休みされる方が出ても「お子さんがインフルで看病のためにお休み」というパターンが多いです。
・・・だがしかし、私は予防接種していないので、気をつけねば。
(インフルエンザ薬が効かないタイプのウイルスも出てきているようですし。)

>桐といえば箪笥ですよね。
>ルキアが朽木家を離れるのを怖れる兄様。めっちゃ可愛いですね///

お読みくださり有難うございました。
このかきものの1つ前がちょっとシリアス(?)だったのもあり、ここで兄様に頑張って頂こうと思いまして。
拙宅ではいつもルキアさんをやきもきさせたりしているんだから、ちょっとくらいやきもきしてくれ、という願望だったりします。
今回、「桐」のリメイクをご所望くださった方も、無自覚ルキアさんに今回も盛大に振り回して欲しい、というご希望があったそうで・・・。
(ちゃんと振り回せたでしょうか?)
最初の「桐」は、兄様も暴挙にでるだけの勢いがありましたが、今回は流石に其れは出来ないので・・・分かってはいても悶々とした日々を過ごされることでしょう。
・・・頑張れ兄様!!

>こんな2.5枚目な兄様は大好物です!

兄様の凄いところは、コメディであってもギャグであっても、決して3枚目にはならないところ、だと思っています。
其れがきっと兄様クオリティ・・・ルキアさんの前では絶対に良い男で居たいのでしょう。

長々と失礼いたしました。
さー  【2014/02/10 22:36】
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さー
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女性
職業:
多数?の草鞋履き(最近少し減らしました)
趣味:
読書、音楽弾き聴き、きもの、草いじり、料理、・・・あと、かきものとか。
自己紹介:
諸般の事情から「多数の草鞋」を履くことになってしまった私です。
息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。

☆名前について☆
ここでは“さー”を使っていますが、“さー坊”というのも時折使っております。
(メール送信時は、名字まで付いてます。)
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