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数年前に流行った植物ですね。
元々西洋ではポピュラーな植物で、よく食器などの文様に描かれるなど愛されているのが伺えます。
春の訪れを告げてくれる愛らしくも小さい花や、大きな葉に隠れるようにしながらもキラリと輝く赤い実は、とっても可愛いと思います。
実家でも種から育てていたのですが、丈夫なので増えすぎて大変でした。
葉は喉の調子が悪い時にハーブティーとして飲むと良いそうですし、お風呂の入浴剤代わりにしても良いとか。
拙宅では実が大量になったのですが、殆どがジャムになりました。
(生食でも食べられるには食べられるのですが、甘みが殆どないのです。たまに甘いのに当たると驚くほどに。
でも香りが本当に良いので、お菓子の材料にするにはもってこいだと思います。)
最初のイチゴ系とは打って変わり、此方は明るいコントみたいな感じで。
そして・・・拙宅で『食べ物系』が絡むと言えば・・・
お待たせしました!!あの二人です!!
・・・といっても、今回は実際に食べるわけじゃないですが・・・。
其の点で『鉄板』から外れているような気もしなくはないのですが、でもイチゴ系だしね、ということで。
そして、こういうもどかしいのが・・・私の中の『彼ららしさ』、なのかもしれません。。。
『罪作りな植物、そして彼女』
「おい、ルキア、それ何だ?」
「おぅ、恋次・・・此れはだな、『わいるどすとろべりー』というものだそうだ。」
・・・ワイルドストロベリー・・・
俺だって知っている、何年か前に現世で流行した植物だ。
何か・・・恋愛成就するとかなんとか・・・
れ、恋愛成就????????
「どうしたのだ恋次、そんな狐にでもつままれたような顔をして。」
「い、いや・・・・」
ルキアが、ルキアが・・・??
そんな、恋愛ごとなんて疎そうなルキアが???
あの怖い隊長の鉄壁のディフェンスに囲まれたルキアが????
どうしちまったんだルキア!!!
「そ、その・・・あのなルキア、」
「どうした?恋次」
「いや、その・・・ソレってさ・・・」
まさか、ルキア・・・そんなモンに願掛けしたくなるような相手が出来た、とか???
お前にそんなモンを入手させるような衝動に駆らせたヤツは一体誰なんだ????
(いや、俺なら嬉しいけどよ、それはそれでまぁ・・・・)
つーか、
そんなモン見たら、アノ隊長だって『怒髪天を衝く』を地で行くような形相になるだろうよ。
オレだって・・・コイツが思いを寄せるような相手がいるなら、自分で決めた戦いの作法なんて無視して闇討ちでもしちまいそうだ。
「ああ、此れか?」
「それってさ、現世で一時期・・・・」
「卯ノ花隊長に頂いたのだ。」
「へ?」
「卯ノ花隊長の薬草畑で此れが繁茂しておってな。
葉は咳止めや喉の調子が悪い時に効果があるらしくて、また実も甘さはそれ程でもないらしいが香りが良いし栄養価も高いからと植えたら・・・必要以上に増えてしまったらしいのだ。」
「・・・はぁ、」
「そこで、欲しい者に裾分けしてくださるということだったので、貰ってきたのだ。
こうして見ると、白い花も、赤い実も可愛いだろう?
丈夫だそうだから、鉢にでも植え替えて自室に飾ろうと思うのだ。
最近現世で流行の草盆栽としても楽しめるかもしれないからな。」
・・・現世の流行を知っていながら、何故ワイルドストロベリーのことを知らないんだルキア???
「そういえば・・・何故かはよく分からぬが、やけにこの『わいるどすとろべりー』が女性死神協会の面々に人気だったな。
私が話を卯ノ花隊長から伺って・・・頂きに行った際、女性死神協会の面々が既に大集結していたからな。ずっと欲しかったような顔をしておる者も多かった。」
「ああ、多分そうだろうよ・・・。」
「お?恋次、何か貴様は理由を知っておるのか??」
絶対にコイツには言えねぇ!!!!!
逆に妙な意識をさせたら、色々と面倒くせぇかもしれねぇ。
「いや、多分オレの勘違いだ。」
「そうか。
そうだ恋次、此れにもっと実がなったら、食わせてやっても良いぞ。」
「・・・ソレ、不味そうだろ・・・どう見ても。」
「卯ノ花隊長は『味は甘くないものの、酸味も少なめで香りが良いですよ』と仰っていたが・・・。
もっとも、隊長は葉を薬草として用いるために植えられたらしいからな。」
早速植え替えをしなくては、と言って・・・アイツは小走りで屋敷に向かって行っちまった。
ちょっと寂しい反面、どこかホッとしている俺がいる。
やっぱりルキアはああでないと!!!
・・・世の中には、知らないほうが良いこともあるんだ。
現世での『ワイルドストロベリー』の逸話も、きっとその類だ。
現世のことを知っているようで知らない、罪作りなルキアさん♪
それに翻弄される殿方が恋次氏以外で果たしてどれ程いらっしゃるのやら・・・。
とにもかくにも、頑張れ、恋次!!
屋敷に帰ってから兄様からどんな反応をされたのかは、また別のお話です。
(というか、兄様は知っているんだろうか・・・この植物の現世での話を。)
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息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。
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