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「多数のわらじ」を履いている?私の、ちょっとだけ息抜きさせてもらえる場所だったり
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はい、かきものをおいて行きます。
御題は、季節はずれな此方。

botan3.jpg 
『牡丹』です。
昔から「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」と言われるくらいに、美しいもののたとえに使われてきました。
また、『百花の王』と称されるほど。

そういえば以前、上野東照宮内にある牡丹園に寒牡丹を見に行ってきました。
あれはあれで凄いですが、季節に合わせて咲き誇る姿は本当に気高くて艶やかです。

そんな牡丹でかきものをしてみたい、とずっと考えていたのですが、何せ此処最近のモヤモヤやら何やらで筆が進まず。
今回も、植物を生かしきれていないので、数箇所にちょこっと出てくるだけです。
しかも文全体が取り留めの無い『雰囲気』だけの意味不明なシロモノになっている、という・・・。
私のスランプぶりは、根深いようですよ・・・。


そんな今回の拙作は、すみません、白ルキで吐き出してみたブツの1つです。
結局似たり寄ったりのシチュエーションを前提にしてしかモノを書けていないのは、拙宅の仕様です。。。
すみません。。。

もともとは、現在の拍手絵をちまちまと描いているときに思いついたネタです。
あのルキアさんイメージの基になったのは、「迦陵頻伽(かりょうびんが)」という想像上の鳥です。
よく仏教絵画にも出てくるとか。
本来は上半身が人(女性)、下半身が鳥(恐らく鳳凰のような感じ)なのだそうですが、拙宅絵では鳥の下半身がかけなかったので衣で隠してしまっているわけですよ。。。
そんな拍手絵の背景に使用したのが牡丹の画像。なので「かきもの」でも牡丹の花を入れてみたいなと思ったのです。

さて、言い訳はここまでにして、下記より本文です。
本当にスランプ酷いです・・・。



『迦陵頻迦の夢』



 ―迦陵頻伽。
現世の古い書物に出てくるという伝説の鳥。
上半身は見目好い女人、下半身は神鳥の姿、生まれ出ずる前より妙なる声で鳴くという。

 
迦陵頻伽の夢を見た。
流魂街の外れに広がる荒野の中にあって、其れは美しい声でさえずっておった。
私に気づいて振り返ったその姿は、金色の翼を生やした、今は亡き我が妻の姿に瓜二つ・・・。
気づけば私は両の手で包み込める程の大きさである其れを捕らえ、我が邸に連れ帰っていた。
 
-妻を亡くした翌年、私は一人の娘を有無を言わせず義妹として迎え入れた。
事情すら知らせずに引き取ったその娘は、妻に瓜二つの姿だった。

 
迦陵頻伽の夢を見た。
お前が住まうという極楽を見立て、お前を囲う鳥篭の中を花や金色の財宝で彩った。
だのにお前は鳥篭の端に置かれた鉢植えの白い牡丹花の株下に蹲り、哀しい顔を見せるだけ。
あの妙なる声を何故私に聞かせぬのだ。お前を閉じ込めた私が憎いか。
 
―私に引き取られた娘は、私の前で笑う事は決して無かった。
発する声も強張り、俯きがちな表情には諦観の相を浮かべていた。

 
迦陵頻伽の夢を見た。
お前は私の極楽から逃れ、穢れを纏って俗世へ消えた。
再び私が目にしたお前は、俗世の垢に薄汚れながら尚も見目好いまま。
お前が我が極楽から逃げ出しなどせねば、咎など背負うことも無かったろうに。
 
―私に報告も無いまま、あの娘は現世へと向かい、そのまま行方知れずとなった。
更には重罪を負い、私の手により捕らえられた後は、ただ死を待つ身と成り果てた。

 
それから、迦陵頻伽の夢を見なくなった。
 
―あの娘に刑の執行予定を告げた後、私は一度も面会に向かう事は無かった。

 
久々に、迦陵頻伽の夢を見た。
荒れ野で獣に睨まれ、ただ打ち震えていたところであった。
狙いを定めた毒蛇の牙が飛んだとき、私は咄嗟に手を伸ばしていた。
ただ、あの金色の翼を護るがために。
 
―私が事の真相を知ったとき、あの娘が正に刃を向けられるところであった。
咄嗟に私の体はあの娘を庇い、崩れ落ちていた。

 
迦陵頻迦の夢を見た。
屋敷に運ばれた私の枕元で、お前が不安げに私を覗き込んでいた。
そのような哀しげな顔をするな。私はただお前を護りたかっただけだ。
お前が気に入っていた白牡丹もそのままにしておる、其処で羽でも伸ばしてくるが良い。
 
―床に伏していた私の傍に、あの娘は幾度と無くやってきてくれた。
ただそれだけのことが、私の回復に最も資しているなどと知りもするまい。

 
迦陵頻迦の夢を見た。
もうお前のための極楽は設えぬ、お前の自由に、お前の好きにするが良い、と告げた。
その夜、久しぶりにお前の歌う妙なる声を聞いた。
庭で咲いていた白い牡丹の上にふわりと座り、楽しそうに、嬉しそうにお前は歌うのだ。
 
―あの娘の望むように歩ませようと決めた。
其れを伝えても尚、あの娘は私の姓を名乗り、私の傍に居り、漸く笑顔を見せるようになった。

 
迦陵頻伽の夢を見た。
お前が出て行かぬのならば、お前に名を付けたいが・・・と問いかけてみる。
歌を奏でた妙なる声が止み、白牡丹上の後姿が、此方を振り返る。
 
「そうか・・・お前が・・・・」
 
此方を見上げたその顔は、亡き妻によく似たもの・・・ではなく。
私が護ると決めた、あの娘そのものだった。
そう、この迦陵頻迦は最初から・・・・
 
「・・・お前だったのだな、ルキア。」




ちなみに、白い牡丹は・・・兄様ご自身の化身だったりとかしたら面白いな。。。
自分も一緒に鳥篭の中に入れられて縛り付けられていたりとか、そんな自分の傍でルキアさんがうずくまってるとか。
逆に鳥篭から自分もルキアさんも解放して、ルキアさんが望んで白牡丹の上に腰掛けて妖精さんのように歌っている、とかね。
毒蛇・・・すみません、別にあの銀色のお兄さんに悪意は無いのです!!本当です!!

そして画像は桃色でしたが、ここで書いている牡丹が白っていう!!

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さー
性別:
女性
職業:
多数?の草鞋履き(最近少し減らしました)
趣味:
読書、音楽弾き聴き、きもの、草いじり、料理、・・・あと、かきものとか。
自己紹介:
諸般の事情から「多数の草鞋」を履くことになってしまった私です。
息抜きとして、日々のことや趣味のことも書けたら良いなと思っています。

☆名前について☆
ここでは“さー”を使っていますが、“さー坊”というのも時折使っております。
(メール送信時は、名字まで付いてます。)
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